「あめつち」で松江に到着した後、松江に滞在しました。
今回は、松江の中心部にある見どころを紹介したいと思います。
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1) 町を一望できる 国宝 松江城
城下町・松江を代表する見どころ。日本国内に現存する数少ない12天守のうちの一つで、2015年には「国宝」に指定されました。慶長16年(1611年)に完成した松江城天守は、彦根城、姫路城と並び、貴重な現存天守として知られています。
周囲をお堀に囲まれた小さな丘の上に建つお城なので、お城の入口に向かうまでに、まず階段か砂利の坂道を登って進みます。
お城は5階建てで、内部の階段は幅1.6メートルの結構急な階段です。城内には現存天守では唯一、天守内にあるという井戸も見られる他、各階には展示などもあります。(お城の防御機能を現在に伝える、石落としや格子窓、狭間なども見られます。)
松江城で一番好きなのは360度周囲が見渡せる天守閣です。天狗の間と呼ばれ、高台に建っていることもあり、眺めが良くつい時間を忘れてしまいます。ここからは、日本で7番目に大きな宍道湖や、お天気がよければ山陰の名峰・大山が見えることもあります。また、仏様が横になっているような姿に見える寝仏山(実際には、和久羅山と嵩山)も見えます。
春には、お城の周囲に桜の花が咲き、初夏にはナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)の白い花が咲く風景も見られます。規模も大きくないので、落ち着いて訪れることのできるお城としておすすめです。松江城のホームページはこちら。
2) 堀川遊覧「ぐるっと松江 堀川めぐり」
松江城の周りには、1611年頃に造られたお堀が今も残っています。
このお堀を小さな舟で巡る「堀川遊覧」も、人気があります。お堀なので川幅が狭く、水辺から間近に迫る家々や町並み、お城の姿などをのんびりと眺めることができます。
通常期は20分間隔で運行されているので、待ち時間もほぼなく楽しめます。
舟には屋根がついていますが、低い橋をくぐる時には屋根が下に下がります。
また、舟は靴を脱いであがるお座敷風で、冬にはこたつもあるのでホッコリとした気分で楽しめます。船頭さんのお話や掛け声も名物なので、地元の船頭さんとのふれあいも楽しみの一つです。堀川めぐりのホームページはこちら。
3)城下町の家並みが残る 塩見縄手の風景
松江城の北側にあるお堀り沿いの一帯は「塩見縄手」と呼ばれています。
約500メートルの通りですが、片側には堀川、反対側には黒い板塀と白壁の古いお屋敷が立ち並ぶ風情ある一帯です。この地域には江戸時代、中級武士が暮らしていました。
通りの一角には、日本の民俗や伝説、怪談を世界に紹介した文豪、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が暮らした家屋も残っています。
4) 小泉八雲旧邸宅(ヘルン旧居)
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、怪談「雪女」や「耳なし芳一」などの作者として知られていますが、紀行文や随筆なども数々執筆しています。
彼は西洋に広く日本のことを紹介した人物でもあり、明治時代14年間を日本で暮らしています(松江、熊本、神戸、東京)。
松江には、明治24年に妻、小泉セツと過ごした家屋が残っていて、当時のままの姿で保存されているのはここだけなのだそうです。
実際に訪れると、書斎や居間、お庭などを見ることができ、ノスタルジックで落ち着いた雰囲気を味わうことができます。小泉八雲旧居のホームページはこちら。
5) 小泉八雲記念館
旧居の隣にあるのが、小泉八雲記念館です(隣ではありますが敷地も入口も異なり、別々の建物となっています)。
ラフカディオ・ハーンは、1850年にアイルランド人の父とギリシャ人の母のあいだで、ギリシャに生まれました。2歳の時にアイルランドに移り住み、19歳で単身アメリカに渡っています。
アメリカで文筆を認められ執筆活動を続ける中、万博で出会った日本の文化や、英語訳の「古事記」に興味を持ち、松江の尋常中学校に英語教師として赴任します。その後、各地を転々としますが、1896年には松江の士族の娘、小泉セツと正式に結婚して日本に帰化しています。
小泉八雲記念館では、彼にまつわる様々な展示を見ることができます。(残念ながら、内部は撮影禁止なので、エントランスの写真のみです。)
6) 武家屋敷
塩見縄手の一帯にあった藩士の屋敷は、1733年に大火で焼失しますが、その後に再建されたのがこの武家屋敷です。背後の築山式庭園も取り込んだ質実剛健な造りです。
7) 松平不昧公の茶の湯文化を知る 明々庵
塩見縄手から少し道を入った坂の上にあるのが明々庵です。
松江の藩主は、長い歴史の中で、堀尾氏→京極氏→松平氏と変遷しますが、松江藩松平家7代目藩主に、松平治郷という人物がいます。
江戸時代の代表的な茶人の一人で、茶の号の「不昧」の名前で知られ、不昧公として今でも松江では親しまれています。
茅葺の茶室では。不昧公筆の「明々庵」の額も見ることができます。
茶室とは別の手前の建物では、中庭を見ながら、抹茶を一服いただくこともできるので(入場料とは別料金)、ここを訪れたら是非いただいてみてください。和菓子が盛んな松江らしい茶請けと共にいただくことができますよ。
松江城周辺の見どころ <おまけ>
松江城の周辺には、他にも町の歴史についての展示が見られる「松江歴史館」や、10年に一度の祭事・ホーランエンヤについて展示される「ホーランエンヤ伝承館」などがあります。また、松江城の駐車場のそばには、「島根県物産観光館」があり松江や出雲のお土産や工芸品などが一同に集まっているので、お土産探しの際はおすすめです。
8) 穴道湖と島根県立美術館
松江城から南に1.5キロほどの距離には、日本で7番目に大きな湖、宍道湖があります。出雲国風土記に「入海」と記されてる穴道湖は、中海を通じて日本海と繋がる汽水湖としても知られています。
シジミが特に有名ですが、シジミの他にもシラウオやモロゲエビ、などの魚介類と合わせて、「穴道湖の七珍」とされています。
朝には、シジミ漁の小舟がいつくも湖に浮かぶ幻想的な風景が見られ、夕刻には穴道湖に沈む夕日が見られます。穴道湖に浮かぶ嫁ケ島を含めた湖の風景は特に綺麗で、天気の良い日は、島根県立美術館の辺りが人気の夕日鑑賞スポットになっています。
県立美術館では、日本画や西洋絵画を見ることもできるので時間があれば訪れてみてください。エントランス部分は湖側に向かって開けていて、とても開放的です。
9) 松江の和菓子
松平不昧公ゆかりの地、ということもあり茶の湯とともに和菓子の文化も発展した松江。市内には、美味しい和菓子屋さんが沢山あります。
*彩雲堂・・・明治7年創業。不昧公の好み三銘菓の一つだった「若草」が人気です。もっちりとした求肥に薄緑色の寒梅粉を纏わせた美しい若草色の和菓子です。
*風流堂・・・明治23年創業。こちらも不昧公の好み三銘菓の一つ「山川」が人気です。「山川」は赤白で対になっていて、赤は紅葉の山を、白は川(水)を表しているそうです。
*三英堂・・・不昧公の好み三銘菓のすべてを取り揃えています。三銘菓の一つ、「菜種の里」は三英堂のみが作っていて、春の菜畑に蝶が舞う様子がイメージされた優しい味わいです。
*桂月堂・・・創業は、文化6年(1809年)。こちらでも「若草」などをつくっていますが、上品な「薄小倉」や「出雲三昧」などが人気です。
*一力堂・・・260年近い歴史を持つ老舗。松江藩の御用達もあった和菓子屋さんです。江戸時代から伝わる「姫小袖」などが有名です。個人的には松平家の三葉葵を形どった最中「松江葵」も好きです。
上記以外にも、和菓子屋さんが沢山あり、どこも美味しい和菓子を作っているので、松江を訪れたが是非食べ比べてみてくださいね。
松江のホテル選び
松江の見どころを松江城の周辺とした場合、やはり観光に便利なのは町の中心を流れる大橋川よりも北側のエリアになるかと思います。そのあたりからであれば、松江城や上記に紹介した見どころも、徒歩で訪れることができます。大橋川沿いや宍道湖沿いに、お宿がいくつかあります。出雲大社まで行くことのできる一畑電車の発着点、宍道湖沿いの「しんじ湖温泉駅」の近くのお宿は、客室数も多めで泊まりやすいかと思います。(松江城までは1.5キロくらいあります。)
個人的に好きなホテルは、大橋川沿いに建つ皆美館です。立地が良く、客室数は16室と少ないのですが、その分行き届いたサービスが魅力なのと、お食事処の庭園茶寮みな美の雰囲気が素敵です。宿泊しなくても、食事だけで訪れることもできます。(不昧公好みの「皆美家伝 鯛めし」もおすすめです。)
松江では、市内を巡る循環観光バス「ぐるっと松江レイクラインバス」が走っていますので、こちらも上手に利用すると便利だと思います。(1回乗車は大人210円、一日券だと大人520円です)
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