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山の中腹に現れる不思議な岩の村 モンサント(Monsanto)
コインブラを出発し、少し引き返す形になるものの、前から気になっていたモンサント村へ向かいます。
正直なところ、11月~12月のポルトガルは雨の日も多いようで、今回の旅行中も曇天の日が多かった印象です。そして、この日も残念ながら雨と霧雨が・・・。
モンサントは、1938年には「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」に選ばれたことのある可愛らしい村です。
山の中腹に張り付くようにつくられた村は、標高760メートルほどの場所に位置していて、村を歩いていて面白いのは「あたかもそれが普通」かのように、大きな岩が家の一部になっていたり小路の横からニョキっと出ていたり。
イスラム教徒から、12世紀にテンプル騎士団へと統治が移り、13世紀にはドン・ディニス王によりお城が再建されるなどの時代を経て、歴史を刻んできました。
小さな村ですが、至るところに岩があって不思議な光景を創りだしているので、どこを撮っても絵になります。
15世紀頃に建てられた教会やルカーノの塔などがあるので、写真を撮りながらのんびり散策を楽しみたい村です。
スペイン国境に近い鷲の巣村 マルヴァオン(Marvao)
モンサントから南下して、途中で立ち寄ったのがマルヴァオンです。
こちらはモンサントよりさらに標高が高い場所にあり、アレンテージョ地方の平原を一望できる断崖にたつ素朴で美しい村です。
スペインとの国境にも近く、昔から戦略的な要所であったここは村自体が防御要塞のような場所。
13世紀頃に造られた城壁が残っていて、石畳の細い小路には中世の趣が残っています。
訪問時は生憎の雨で良い写真がありませんが、マルヴァオンには眺望の素晴らしいポサーダもあるので、時間に余裕がある方は宿泊してみても良いと思います。
マルヴァオンのポサーダ 【Pousada Marvao】
ポサーダ(POUSADA)って?
お隣のスペインでは歴史的な建物を利用した国営ホテルのパラドールが有名ですが、ポルトガルのそれは「ポサーダ」と呼ばれています。歴史あるお城や、修道院などを改装した宿泊施設で、ポルトガル各地に点在していますが雰囲気は、ポサーダによってまちまちで、それぞれに個性があります。上手に旅に取り入れて、ポサーダでの宿泊も旅の思い出の一部としてみると楽しいと思います。
城壁に囲まれた古都 エヴォラ(Evora)
アレンテージョ地方にあるエヴォラは、ローマ時代の城壁や神殿跡などが残る古い町。
日本との関わりもあって、天正遣欧少年使節の4人の少年達が、このエヴォラにある大聖堂を訪れたことでも知られています。
1852年に長崎を出発した天正遣欧少年使節は、2年以上をかけて1584年にポルトガルに上陸し、リスボンからマドリッドに向かう途中にこのエヴォラに立ち寄ったそう。(九州地方のキリシタン大名の名代としてヨーロッパに向かった少年使節団は、往路は2年以上、復路は4年以上をかけて旅をしています。)今の飛行機移動の便利さと比べると本当に大変な航海であっただろうと想像されます。
天正遣欧少年使節も400年以上前に訪れた カテドラル
日本との繋がりを感じることのできたエヴォラでは、カテドラルを訪れてみました。
この大聖堂で、天正遣欧少年使節団の伊東マンショと千々石ミゲルがパイプオルガンの演奏をおこなったそうです。
カテドラルは、回廊も落ち着いた雰囲気でゆったりとした空気が流れています。
回廊にある細い階段を上がると、屋根の上に出ることができます。テラスのようになっていて、町の様子と周辺の丘陵地が見渡せるので、是非訪れてみてください。
大聖堂のそばの広場には、ローマ時代につくられたディアナ神殿(Templo de Diana)が残っています。月の女神ディアナに捧げられた神殿で、エヴォラの長い歴史を感じる遺構ですが、夜のライトアップされた姿も趣があります。
エヴォラで選んだ宿泊ホテル Mar de Ar Muralhas 4★
エヴォラには中心部にポサーダ(修道院などの歴史的な建物を改装した宿泊施設)もありますが、今回は城壁のそばにあるMar de Ar Muralhas (マール・デ・アル・ムラリャス)を選びました。
周辺も静かな環境で、内装も可愛らしいホテルです。訪れた時期には、クリスマスの飾りつけなどもされていて、ロビー周辺のインテリアなどもお洒落で素敵でした。
街の中心部までは、徒歩で10分位なので散策にも便利です。
また、系列ホテルがあり、町中には5ツ星のMar de Ar Aquedutoホテルもあります。
こちらは、16世紀の古い宮殿を改装したホテルで、歴史的な建物の雰囲気を残しつつ内部は設備の整った素敵なホテルです。スパなども充実しています。
エヴォラで訪れた郷土料理が食べられるレストラン【A Choupana】
エヴォラの町で夕食を食べようと、ホテルのスタッフに地元の料理が食べられるレストランを訪ねたところ、教えてもらったのがこちらのお店“A Choupana”。ポルトガルを訪れたら、アレンテージョ地方の料理は是非食べねば!と思っていたので、早速訪れました。
【A Choupana】
Rua dos Mercadores 20. Evora
ホテルのMar de Ar Muralhasからは、中心の広場に向かう一本道の途中にあるので、場所もわかりやすかったです。
いただいたのは、“Carne de Porco a Alentijana”(カルネ・ド・ポルコ・ア・アレンテジャーナ)、豚とアサリのアレンジェージョ風です。
アレンテージョ地方やイベリコ豚なども特産ですが、山の幸の豚肉と海の幸のアサリの組み合わせが面白い郷土料理です。
ポルトガルの料理は、繊細な料理のイメージではありませんが、どれも素朴で魚介を使った料理も多く、日本の方の口にも合う料理が多いように思います。
ポルトガルを訪れたら、是非味わってみてください。
夕食後はすぐそばのジラルド広場でサント・アンタオ教会のライトアップなどを見てからホテルに戻りました。(このページのトップの写真です)
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