ポルトガル旅行回想記5 リスボンと郊外(シントラとロカ岬)

リスボンで行ってよかった場所と宿選び

この旅行でリスボンで選んだ宿は、ロシオ駅のすぐそばにあり、散策などにも便利なアヴェニーダパレス(AVENIDA PALACE)です。リスボンはポルトに比べても街が大きいので、宿をどのエリアで選ぶか迷いましたが、やはりロシオ駅周辺が便利と判断しました。
実際、ホテルを起点に徒歩や市バスなどを利用して目的の場所を見て回ることができたのでよかったと思っています。(ホテルについてはまた後述しようと思います。)
ホテルを起点に短い滞在で、廻った場所が下記になります。

1)サンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)

近くを通るたびに、エレベーターを待つ行列が見えていたサンタ・ジュスタのエレベーター。別名、カルモ通りにあるのでカルモのリフト(エレベーター)とも呼ばれています。
フランス系の建築家ラウル・メスニエル・デ・ポンサルドによって1900年~1902年にかけて建てられました。
高さが45メートルほどある鉄製のエレベーターで上部まで上がり、そこからは螺旋階段を上って展望テラスに出ることができます。高所恐怖症の人はこの螺旋階段は怖いかも知れません。。。筆者は夜に訪れましたが、風の強い日だったこともあり、ちょっとドキドキしました。
そして、このエレベーターは下から上に上がるのは順番待ちでかなりの列ができていますが、バイロ・アルトへ通じる連絡橋がある上の階からエレベーターでの下りを利用する形のルートを選ぶと、ほとんど待ち時間もなく空いていました。

下から眺めるエレベーター
上階からの入口

夜は夜景が綺麗でしたが、日中だとサン・ジョルジュ城や大聖堂、テージョ川などまで見渡せる絶景スポットです。(リスボンカードで無料になります。)

展望台から下を眺めると足がすくみます。。

2)やっぱりココは外せない ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jeronimos)

1502年にマヌエル1世により着工された修道院で、エンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業を称え、新天地へ向かう航海の安全祈願をこめて建てられました。大航海時代にヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰った香辛料の莫大な利益によって最初の建築資金が賄われたといわれています。
マヌエル様式の最高傑作と称される建物で、最終的な完成までにかかった年月は300年以上!
1983年に、ベレンの塔とともにユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

壮大な規模で驚きます。
回廊の装飾も見応えがあります。

内部に入ると、中庭を取り囲む回廊などがありますが、回廊のアーチに施された細やかな装飾もまた見事なものです。

教会のアーチも見応えあり
祭壇も荘厳です

修道士の共同の部屋として利用されていた食堂や、修道院教会(高い天井のアーチも見どころ)では、大航海時代にインド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマとその偉業を一大叙事詩として謳ったポルトガルの詩人、ルイス・デ・カモンイスが眠る棺が安置されています。
(リスボンカードで無料になります。)

3)大航海時代を偲ぶ 発見のモニュメント(Padrao dos Descobrimentos)

エンリエ航海王子の500回忌を記念して1960年に建てられたモニュメント。帆船をイメージしたデザインで、先頭に立つ彫刻はエンリケ航海王子。そこに、ヴァスコ・ダ・ガマや、ブラジルに到達したアルヴァレス・カブラル、世界一周を達成したマゼランなどが続いています。また、日本でキリスト教の布教活動を行った宣教師、フランシスコ・ザビエルの姿も見られます。

発見のモニュメントと4月25日橋(奥)

4)船乗りたちを見守ってきた ベレンの塔(Torre de Belen)

マヌエル1世により、1515年~1520年にかけて建てられた塔。もとは、テージョ川を行き交う船の監視と河口付近の要塞を目的としていましたが、その後は、船の税関や灯台としても利用されました。マヌエラ様式で建てられた塔の美しさから、司馬遼太郎は「テージョ川の貴婦人」と例えたそうです。内部では、国王の間や謁見の間、礼拝堂などを見ることができます。
(リスボンカードで無料になります)

塔の入口には列ができていました。

5)日本との繋がりを感じる 国立古美術館(Museu Nacional de Arqueologia)

17世紀の宮殿だった建物を利用した美術館で、12世紀~19世紀までのポルトガルの芸術などの他、日本の南蛮屏風などが展示されています。
南蛮屏風には、インドのゴアを出航するポルトガルの船や、長崎に到着した一団が日本人に出迎えられる様子などが対になった屏風に描かれています。
遠いポルトガルと日本の繋がりを感じる展示品で、思わず学生時代に勉強した世界史の授業を思い出してしまいました。

リスボンから足を延ばして郊外へ シントラとロカ岬

リスボンに到着する前、オビドスからの移動途中で先に立ち寄ったのがリスボンの西にあるロカ岬とシントラです。

6)ヨーロッパの西の果て ロカ岬(Cabo da Roca)

ユーラシア大陸で一番西に位置する国がポルトガル。その最西端にあたるのがロカ岬です。
リスボンからの路線バスなども出ていますが、今回はレンタカーで訪れました。
車を駐車場に停めて、石碑のある場所まで歩きます。

ユーラシア大陸の最果てまであと少し
カモンイスの詩の石碑

ロカ岬のシンボルとなっている石碑には、ポルトガルの詩人カモンイスの叙事詩の一節から「ここに地果て海はじまる」という一節が彫られています。
大航海時代の偉業を果たしたポルトガルの最果ての地で、海を望むというのは何だかロマンを感じますね。(以前に南アフリカの喜望峰を訪れた時にも同じような気持ちになりました。)

7)王家の避暑地 シントラ(Sintra)

王族や貴族の避暑地として栄えたシントラには、王宮をはじめとした見どころが点在しています。特に、王宮、ムーアの城跡、ペーナ宮殿などが有名ですが、今回は時間の関係で、ペーナ宮殿(Palacio National da Pena)のみを訪れました。
お城の立つ小高い丘の下の切符売り場で入場券を購入し、そこから徒歩で坂道を上がっていきます。お城まで続く途中の庭園も広大で、庭園もゆっくり見てまわりたいところです。(実際には、時間がなかったのでまっすぐお城を目指しました。)

坂道をのぼっていきます。
テラスから景色が眺められます。

ペーナ宮殿は1885年に完成したお城で、ヨーロッパの建築様式とイスラム建築様式がミックスされたような建造物です。
この宮殿の建築を命じたのは、ドイツのルートヴィヒ2世(有名なノイシュヴァンシュタイン城を建てた王)のいとこにあたるフェルディナント2世で、ドイツから建築家を呼び寄せて建設にあたっています。
外観もとてもカラフルで、細部に目をやると彫刻や、装飾、アズレージョなど、どれも特徴があって見ていて面白いお城という印象を持ちました。残念ながら訪れた日は天気が悪く、本来であれば高台にあって眺めも良いのですが、この日はあまり遠くまで見渡すことができませんでした。

おまけ:上手に使いたい リスボンカード(Lisboa Card)

リスボンでの滞在は実質丸1日程度の短い日程でしたが、折角なのでリスボンカードを購入しました。リスボンカードは空港や、町なかの観光案内所(ツーリストインフォメーション)などで購入できますが、宿泊したアヴェニーダパレスのすぐそばにもツーリストインフォメーションがあったので、ここで購入することに。
カードには、24時間、48時間、72時間の種類があり、地下鉄、バス、市電、ケーブルカー、ポルトガル国鉄のシントラ線やカスカイス線に乗り放題のほか、博物館などの見どころが無料や割引になる特典がついています。
今回の滞在中に行こうと思っていた箇所は無料になるところもあったので、24時間券を購入しました。実際に使ってみて、ジェロニモス修道院やベレンの塔など、チケットを買うための列ができていたところもあったので、リスボンカードがあるおかげで並ばずに済んで助かりました。
リスボンカード(Lisboa Card)のサイトはこちら

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