伊根の舟屋群と天橋立 京都から足を延ばして

日本三景のひとつ 天橋立へ

8月の終わりに用事で京都に行った際、1日時間があったので、前々から行ってみたかった丹後半島に足を延ばしてみました。事前に借りておいたレンタカーを利用して、まずは「日本三景」のひとつ天橋立へ向かいます。
ここでは、二大展望台といわれる「傘松展望台」と「天橋立ビューランド」のうち、「天野橋立ビューランド」を訪れました。リフト・モノレール乗り場のそばの有料駐車場に車を停めて、切符売り場へ。この日は割と空いていたので、すんなりとチケットを購入することができました。チケットは、チェアリフトとモノレールの共通券になっていますが、お天気も良いので筆者は迷わずチェアリフトを選択。登りのリフトから少し後ろを振り返ると、見事な飛龍観の景色が広がっていました。降りのリフトが楽しみです。

モノレールとチェアリフト乗り場
チェアリフトからの眺め

頂上につくと、お約束の「またのぞき台」があり、皆さん頭を下げて景色を覗いていらっしゃいました。(もちろん筆者もトライしました。)
ここで、良かったのは高さ8.5メートルもある「飛龍観回廊」! 螺旋階段で上にあがり、天空の回廊を歩くとさらに高いところからの景色が楽しめました。そして降りのリフトでは、眼前に広がる飛龍の姿を、たっぷりと楽しむことができました。

有名な逆さのぞき台
高さ8.5メートルの飛龍観回廊
上にあがるさらに景色がよく見えます
「日本三景」と謳われるのも納得です

リフトを降りてから、折角なので「龍」の姿に見立てられる松林の散策へ。ここは、青松と白い砂浜で形成されていて、散策に気持ちよい木陰になっていました。「丹後国風土記」によると、いざなぎのみことが天界と下界を結ぶための梯子を作り立てていたところ、寝ている間に梯子が海に倒れ、それが1本の細長い陸地になったのが天橋立の由来なのだそうです(京都府のホームページより)。

天橋立の松林
実際に松林を歩いてみました

丹後半島の隠れ家レストランを訪ねて

今回、京都からの小旅行で行ってみたいと思っていたレストランがありました。
車でなければ、公共交通機関とタクシーを駆使して訪れる場所、周囲を田んぼに囲まれたのどかな場所にお店を構える「魚菜料理 縄屋」さんです。京都の料亭「和久傳」で修行をされていたシェフがされているお店で、色々調べてみると、地元の食材や料理へのこだわりが感じられて興味が沸き、是非訪れてみたいと思っていました。
2020年に入り数カ月間、改装の為お店を閉めていらっしゃったようなのですが(ちょうど新型コロナウィルスが流行し全国的な緊急事態宣言が出ていた頃)、7月から改装を終えて再オープンなさったそうです。
実際訪れてみると、筆者の他にも「縄屋」をわざわざ訪れる目的でお越しのお客様がいらっしゃり、人気の高さがうかがえました。お店を改装された際に、オープンキッチンと蒔オーブンを取り入れられたのだそうで、今回も蒔で炊いたご飯や、丁寧に調理されたお食事を頂くことができました。内装も素敵で、シンプルながら木のぬくもりが感じられる北欧テイストと日本家屋の良さが融合したような居心地のよい空間でした。また、食材にこだわっていらっしゃることもあり、新鮮な野菜の美味しさや、出汁の旨味、生や炭火で炙った魚料理など、様々な調理方法で提供されるお食事に感動しました。炭火焼のお魚の皮目のパリっとした食感は忘れられません。
決して便利な場所ではありませんが、地元に根ざしながら、革新的に料理の道を極めていかれる個性がキラリと光る素敵なお店でした。(今回は6,000円のランチコースをいただきました。蒔オーブンで調理をされる関係で、お食事は決まった時間に一斉に提供されるそうです。)

隠れ家のような「縄屋」の入口
落ち着いた雰囲気の店内
キッチンには蒔オーブンが見えます
繊細なお料理に感動

「日本の棚田百選」にも選出される 袖志の棚田

午後は伊根の舟屋を目指して 丹後半島をドライブです。北側の海岸線(178号線)を走り、ドライブを楽しみながら、少し遠回りして伊根に向かいます。途中、日本の棚田百選にも選ばれている袖志の棚田を通ったので、立ち寄ってみました。「日本の棚田百選」は、1999年に農林水産省によって発表されたことが始まりで、選定基準には「健全な営農への取り組み」や「棚田の適切な維持管理」、「特別栽培米やオーナー制度の導入など地域の活性化への取り組み」などが挙げられ、選定は「日本の棚田百選」の選定委員会によって行われます。
袖志の棚田は、海に向かって広がる棚田の風景が穏やかで美しく、稲穂が色づく時期の風景が見てみたくなりました。
のんびりしているうちに時間がどんどん過ぎていき、肝心の伊根の遊覧船の時間に間に合うかギリギリの時間になってしまいました。

美しく続く棚田の風景
棚田の奥には海が見えます

伊根の舟屋を海から眺める 伊根遊覧船

どうにか最終の伊根の遊覧船の時間に間に合って(到着したのは最終便の出航10分間を切っていました)、最終便には他のお客様は乗っておらず、貸切り状態!船内では、伊根湾についての説明のアナウンスもあり、日本海にありながら穏やかなこの湾が、三方を山と島に囲まれた地形によるものだということをより理解することができました。船では上のデッキに上がることもでき、気持ちのよい潮風を浴びながら風景を楽しむことができます。しばらくすると、「国の重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されている、舟屋群が見えてきます。
海に面して立ち並ぶ家々は、1階は海に直結した舟置き場、2階部分が住居となった特徴的なスタイルで、約230軒の家屋が周囲5キロにも渡って続いているというのには驚嘆します。訪れた日も海面はとても穏やかで、湾内には天然のいけすがあって養殖もされているそうです。クルーズは30分なので、あっという間ですが、舟屋群はやはり海から眺めるのが一番美しいと個人的には思うので、とても充実した時間でした。

伊根の遊覧船乗り場
船のデッキに上がることもできます
湾に入ると舟屋群が見えてきます
山を背景に舟屋が並ぶ姿が美しい
一階部分には舟が
マンホールのマークも舟屋!

その後、伊根の町の散策も楽しみましたが、現在、舟屋の中には宿泊施設やカフェとして利用されている建物などもあり、今度はもっとゆっくり滞在したいな、と思いながら後ろ髪を引かれる思いで伊根を後にしました。
帰り道には、伊根湾を見下ろす高台にある「道の駅 舟屋の里伊根」に立ち寄りました。展望台からの眺めはまた素晴らしく、湾の成り立ちなどを実際に上からも見ることができました。

道の駅の展望台から眺める伊根湾
地図を見ると地形がよくわかります

まとめ

京都から日帰りのエクスカーションで楽しめる丹後半島は、とても魅力的な訪問地でした。特に伊根は、世界の舟屋群は世界でも珍しい独特の風景で感動しました。公共交通機関を使って訪れるのは少し大変ですが、調べてみると京都や大阪からの日帰りツアーも出ているので、上手に利用してみるのもよさそうです。

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