ニースから足を延ばして訪ねる 崖上の村エズ

南仏には何度でも訪れたい町々が沢山ありますが、ニースを訪れたらぜひ足を延ばしたいのが、地中海を見下ろす崖上の村エズ(Eze)です。可愛らしい小さな村で、アトリエやお土産屋、レストランなどもあり、ニースから気軽に訪れることができる近さも魅力です。ここでは、ニースからエズへの行き方や訪れておきたい場所をご紹介します。

ニースからエズへ。公共交通機関を使って訪ねる

公共交通機関を利用して訪れる場合、ニースからは市バスまたは鉄道(SNCF)で訪れることができます。ただ、往路に鉄道を利用した場合、エズの村自体が崖上に位置しているので海抜420mある村まで登っていく必要があり、体力的にも時間的にも大変なので少なくとも往路は市バスの方がおすすめです。
市バス利用の場合には、ニースの「VAUBAN」バス停(始発)からエズ方面に行くバス(82番、または112番)が出ています。いずれのバスを利用した場合でも「EZE VILLAGE」でバスを下車すると、そこが村の入口です。ニース市内からだと片道30分ほどで到着します。
筆者はエズを訪れた際、ニースから往路は市バス、復路は鉄道を利用してニースに戻りました。エズの鉄道駅からニース駅までは、鉄道を利用すると10分ほどで到着します。エズの駅は無人駅なので、券売機で切符を購入する必要がありました。(筆者が訪問した際は、券売機に不具合があり、やむなく車内で車掌から切符を購入しました。)
ニースからエズへの市バスはエズ観光局のサイトからも調べられます。(市バスはLignes d’Azur)

エズで訪れたい絶景スポット

地中海と村を見下ろす「エズ熱帯庭園」

エズの村自体は小さいのですが、折角なら訪れておきたい場所があります。村の中でもさらに高い場所にあるかつての城跡、現在の「エズの熱帯庭園」(Jardin Exotique d`Eze) です。サボテンやリュウゼツランなどの植物などが見られますが、何よりここは、地中海を見渡す絶景ポイントとしておすすめです。(このエズの熱帯庭園は、前の記事でご紹介した「フレンチ・リヴィエラ・パス」があれば入場が無料になります。)

庭園から眺めるエズの村と地中海
展望台には案内板もあります

絶景を楽しみながらのティータイムやランチもおすすめ

個人的なおすすめとなりますが、以前、春先にエズを訪れた際に、とっておきの時間が過ごせた場所があります。村の中にあるホテル「シャトー・エザ(Chateau Eza)」のレストランです。訪れた時期が春先でまだ観光客が少なかったことと、訪れた時間帯が午前中だったこともあり、レストランでお茶をすることができました。その時は、まだ肌寒さが残るくらいの季節でしたがテラスの席も利用することができ、眼下に広がる紺碧の地中海を眺めながらお茶をいただく、忘れられない時間になりました。旅行をする際、ただ観光地を廻るだけでなく、その土地の空気や風景、流れる時間をじっくりと感じられるような時間が持てる旅は、やっぱり幸せだと感じます。

シャトー・エザのテラス
ホットココアでティータイム

エズの村から海岸へと続く「ニーチェの道」

長い歴史の中で、多くの著名人が訪れたエズの村ですが、哲学者のニーチェもまたここを訪れた一人でした。ニーチェは「ツァラトゥストラはかく語りき」の構想を村から海岸へと続く山道を辿りながら練ったといわれ、今ではこの道は「ニーチェの道」と呼ばれています。
海側から登るとかなりしんどいのですが、村から海側に下っていくのであれば、ハイキング気分を楽しめます。(結構な山道で、足元に砂利や岩があったりする為、靴はスニーカーやハイキングシューズの方がよいと思います。)
下りでも約30~40分は掛かりますが、途中、振り返って見上げればエズの村が見え、眼下には地中海が広がるルートで、実際に歩いてみると思い出に残る散歩道となりました。(実際には、筆者は列車の時間が気になって、当時は感傷に浸る間もなく早足で下っていったのですが。)

村から下り始め、振り返ると村が見えます
途中は、結構な坂道です・・・
途中からは眼下に地中海が広がります
「ニーチェの道」の看板(駅近く)

泊まってみたい エズの素敵な2つのホテル

エズは小さな村なので、夏場の観光シーズンには町なかはやはり観光客で賑わっています。
宿泊施設が少ないため、多くの訪問者は日帰りで訪れます。朝や夕方の観光客がいない時間帯に村を歩けるのは宿泊者の特権ですね。
時間があれば是非泊まってみたいエズですが、村の中にある素敵なホテルを2軒ご紹介します。

シャトー・ドゥ・ラ・シェーヴル・ドール(Chateau de la Chevre d`Or) 5★

全部で40室の小規模なホテルですが、ルレ・エ・シャトーにも加盟するクオリティの高いホテルです。ホテル内の「La Chevre d`Or」は、眼下に地中海を眺めながらお食事がいただけるレストランでミシュランの2ツ星を獲得しています。
(冬場はホテル自体が休館するので、最新情報を確認することをおすすめします。)
シャトー・ドゥ・ラ・シェーヴル・ドール(Chateau de la Chevre d`Or) の公式サイトはこちら

シェーヴル・ドール

シャトー・エザ(Chateau Eza) 5★

客室数は少なく14室ほどの小さなホテルで、スモール・ラグジュアリー・ホテルに加盟しています。全体的にクラシックな雰囲気ですが、バスルームなどは機能的な設備が整っています。宿泊する場合でなくても、眺めの良いホテル内のレストランでのランチなど、お食事での利用でも楽しめると思います。(ランチの3コースメニューは60ユーロ前後なので、お高めではありますが。。)筆者は以前、テラス席でのティータイムで利用しましたが、眺めの良さに感動しました。
(冬場はホテル自体が休館する場合があるので、最新情報を確認することをおすすめします。)
シャトー・エザ(Chateau Eza)の公式サイトはこちら

シャトー・エザ

まとめ

ニースからエズへは気軽に訪れることができるので、日帰りでも十分楽しめますが、時間があれば景色を楽しみながらランチをとったり、場合によっては宿泊するのも良いですね。市バスを利用する場合には、ニースからのバスの本数は1時間に1本程度と少ないので、時間を確認してから行かれることをおすすめします。
言葉の面などで心配な方は、ニース発着の日帰りや半日のオプショナルツアーなどもあるので、上手に利用されると時間を有効に利用できると思います。


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