和歌山訪問の次に、大阪に寄りました。
大阪滞在中、少し足を延ばして訪れたのが、兵庫県三田市にある「es koyama(パティシエ エス コヤマ)」です。
今回は同行者の希望で行くことになったので、筆者自身はまったくお店のことを知らない状態で訪れました。そして後から有名な場所だったことを知りました。後になって、お店や有名なパティシエのことを知れば知るほど感激して「あ~、もっと色々見ておけば良かったな。」という思いが湧きあがりましたが、「初めての訪問時に先入観を持たずに訪れたこと」は、かえって良かったのかな、と思うことにしました(笑)。
関東からだと遠いので、なかなか訪ねることができませんが、また次に訪れる機会を楽しみにしている場所の一つとなりました。
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大阪から電車とバスを乗り継ぎ「es koyama 」(エスコヤマ)へ
大阪駅からJR宝塚線に乗って新三田駅へ向かいました。小一時間で到着した新三田の駅前は、小さなロータリーになっていて、そこから神姫バスの44番系統に乗り換えて移動します。「ゆりのき台公園行き」に乗車して、「ゆりのき台郵便局前」でバスを降りました。
新三田は小さな駅でしたが、同じ電車に乗ってたと思われるご夫婦が手に大きな保冷バックを持って同じバス乗り場に向かわれたので、「もしかしたら」と思っていたら、やはり同じバス停で下車されました。
「es koyama」のウェブサイトでは「ゆりのき台郵便局前のバス停下車すぐ」、と記載がありましたが、到着したところは完全に住宅街だったので、最初はとても意外に感じました。
住宅街に馴染みながらも、圧倒的な個性を放つ「es koyama」の一帯
バス停を降りて住宅街の方に歩いていくと、沢山のお客様が建物の外まで並んでいるお店がありました。正直なところ、住宅街にこんなに行列が出来ていることに衝撃を受けましたが、まずは、建物のまわりを散策してみることにしました。
敷地の一帯にはいくつもの建物があって、その幾つかには列が出来ていて、再び衝撃を受けました。しかし同時に、それらの建物は住宅街に馴染みながらも、一つ一つが個性的で、事前の知識皆無な状況で訪れた筆者でしたが、ここはただならぬ場所だと感じました。
お店の公式サイトのガイドマップと照らし合わせて、建物を一つ一つを確認してみたところ、パティスリーの建物の他にも、パン工房(ブーランジェリー)、コンフィチュール&マカロン専門店、ショコラ専門店、デコレーションケーキの専門店や、和風な佇まいのマッテル専門店、カフェなどがありました。パティスリー、ブーランジェリーと並んで、列が出来ていた建物に、一風変わった「未来製作所」という建物がありました。調べてみると、小学校6年生以下の子どもだけが入ることができる建物でした。
家族連れの方々が外で並んで待っておられましたが(実際に入場できるのはお子さんのみ)、まだ寒い冬の時期にも関わらず、お子さん達を含め、皆、列に並ぶのを嫌がっている様子はなく、なんとなくワクワクした様子が見てとれたので、その時は少し不思議に思っていました。
「未来製作所」は2016年には、内閣府認証NPO法人・キッズデザイン協議会の「奨励賞(キッズデザイン協会会長賞)」を受賞されています。
筆者は訪問当時はそのことを知りませんでしたが、後日、そのコンセプトを知ってとても感動しました。
「es koyama」の作品を、その場で味わえるカフェ「 hanare」
「未来製作所」の建物の隣には、カフェ「eS LIVING hanare」がありました。席数の少ない小さなカフェですが、折角なので行ってみることにしました。入口で名前を伝え入店希望の旨を伝えたところ、現在1時間~1時間半程度の待ち時間とのこと。同行者は待つと言うので、お店などを見ながらのんびり待つことにしました。(電話番号を伝えておくと、順番がまわってきたら連絡をいただけます。)
パティスリーを覗いたり、建物や可愛らしいお庭を見学したり、コンフィチュール&マカロン専門店でお買い物などをして待つこと1時間少々。電話での連絡が入り、無事に入店です。
メニューには、デザートだけでなくフードメニューもあり、どれもこだわりを感じるもので、地産地消で地域を大切にされている感じや、旬の食材を大切にされている思いが伝わってきました。
折角パティシエのお店に来たので、デザート&スィーツから選ぼうと思いメニューを見はじめましたが、どれも美味しそうで絞ることができず、、結局、2人で3つのケーキを頼むことに。
筆者がカフェに入ってからも、お客さんは次々とやって来られ、時には待ち時間が1時間半以上という時もありましたが、殆どのお客様は「分かりました。待ちます。」と仰られるのにも、(事前の情報皆無で訪れた筆者でしたので)衝撃を受けました。
後になってお店のホームページで見てみると、ケーキひとつを例にとっても、そこにコンセプトや物語があり、丁寧なものづくりと情熱を感じとることができました。
カフェの名前「hanare」というのも、「母屋の裏のハナレに特別なお客様をお招きするように」というところから命名されているようで、その空間そのものが持つコンセプトにも関心してしまいました。お客様が「待ってでも訪れたい」と思われるのだな、と「未来製作所」の存在同様に、後日になって納得した次第です。
「es koyama (パティシエ エス コヤマ)」の初めての訪問は、とにかく、筆者にとっては衝撃だらけのものとなりました。
後日読んだ一冊の本 『あなたの「楽しい」はきっと誰かの役にたつ』
お店の訪問の後、一冊の本を読みました。
以前に本屋で見かけたことがあった本でしたが、その時は、それがそのパティシエの著書だとは知りませんでした。
事前の知識は皆無で訪れた筆者にとっては、感じることや不思議に思うことが色々あったのですが、この本を読んで、お店を訪れた時に不思議に感じていたことの理由が分かり、すべて府に落ちました。
そして、パティシエの小山進氏のお菓子作りだけにとどまらない、仕事にかける「情熱」や「伝えたい」という心、根底にある子どもの頃からの記憶や「遊び心」、「挑戦」を忘れない気持ちなどを読み取ることができ、これらが皆、お店づくりと「es koyama」のブランディング、「地域への還元」、「人材の育成」などに繋がっているのだと感銘を受けました。
訪問時に不思議に感じていた「未来製作所」も、それにかける小山氏の想いとその意義を知ることでとても素晴らしい場所だと思いましたし、それぞれの建物が個性的に感じられたのも、その一つ一つが企業としての「es koyama」が「挑戦」や「進化」を続ける過程で派生してきた通過点なのだと感じ、広がる創造性を感じずにはいられませんでした。
事前知識を持たず訪れたことで、純粋にそれを感じることができ、また、この一冊の本から、小山進氏の圧倒的な熱量を感じることができました。
職種に関わらず「仕事に対する姿勢」について学ぶところが多く、普段は会社で働いている筆者も大いに刺激を受けました。そういう意味でも、筆者にとって、また訪れてみたいと思う素敵なお店でした。
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