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初めてフィレンツェ訪問なら訪れておきたい、名所8選(前編)
トスカーナ平野の中心に位置するフィレンツェは、「花の都」と称されるのに相応しい美しい古都です。
街のサイズもちょうど良く、殆どを徒歩で回ることができます。ルネサンス期にメディチ家の庇護を受け、多くの芸術家達が活躍した街でもあり、街中の教会などその一つ一つが美術館と言えるような場所ばかりで、何日滞在しても飽きることがありません。見どころが多いので、今回は「初めてフィレンツェを訪れたなら、ココは絶対外せない!」と個人的に思う場所をピックアップしてみました。
1)ウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)
元々は16世紀にコジモ1世によるトスカーナ統治の行政機関事務所(イタリア語で「ウフィツィ」はオフィスの意味)として建てられた建物です。ジョルジョ・ヴァザーリの設計によりアルノ川沿いに建設されました。その後、フランチェスコ1世などの後継者がメディチ家の美術品を展示するようになり、18世紀後半から一般公開されるようになりました。
2階と3階に作品が展示されていて、メインギャラリーの3階では古代彫刻からルネサンス期の作品など、美術館の誇る名画の数々を見学することができます。メディチ家のお膝元であったフィレンツェでは芸術家達が庇護されてより多くの芸術家が活躍しています。そのため、ウフィツィ美術館ではルネサンスの初期から後期までの作品の数々を、その変遷を追って見ることができるのも楽しみの一つです。ボッティチェリの「春(プリマヴェーラ)」や「ヴィーナスの誕生」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」、ラファエロの「ヒワの聖母」、ミケランジェロの「聖家族」など、見逃せない作品が沢山なので、ゆっくり時間を取って見学したいですね。
絵画を見学して歩き疲れたら、館内カフェでの休憩がおすすめです。カフェのテラスに出ると、大聖堂のクーポラやヴェッキオ宮殿の建物を間近に見ることができ、絶好の写真ポイントにもなっています。
余談ですが、ウフィツィ美術館には、川向かいにあるトスカーナ大公コジモ1世の住居であったピッティ宮殿からヴェッキオ橋の2階部分などを抜けてそのまま庁舎(現在のウフィツィ美術館の建物)にアクセスすることができるメディチ家専用の空中回廊がありました。そこは「ヴァザーリの回廊」と呼ばれていて、特別なツアーなどでしか入ることができませんが、回廊の両側に絵画が飾られたアートギャラリーのような通路になっています。
【美術館の入場予約】
春~秋の観光シーズンにはウフィツィ美術館前には長い列ができます。美術館に行く際は、事前予約ができるので、是非予約して行かれることをおすすめします。
ウフィツィ美術館の公式サイト(イタリア語と英語)から、「Tickets」 をクリックし、ウフィツィ美術館の欄にある「Buy Online」をさらにクリックしていくと、フィレンツェの美術館チケットを取り扱う公式サイトのB-ticketのサイトが開きます。そこで、希望の日付と時間、枚数を選択してカートへと進み、会員登録をしたうえでカードで決済します。
決済まで無事に完了すると、Order number(予約番号)が入った予約のコンファメーションがPDFで出力できます。登録したメールアドレスにコンファームのメールも届くので、それでも大丈夫です。当日、この予約のコンファメーションを持って、チケットの引き換え所にてチケットの現物に引き換えます。チケット現物に引き換えたあとは、予約したチケットを持っている入場者用の入口(当日のチケットを購入する入口とは別の入口)から入場します。また、内部では日本語のオーディオガイド(有料)を借りることもできるので、案内を聞きながらゆっくり見学をされると良いでしょう。
2)ヴェッキオ宮殿(Palazzo Vecchio)とシニョーリア広場(Piazza della Signoria)
ヴェッキオ宮殿は、14世紀の初頭にフィレンツェの政庁舎として建設されて以来、フィレンツェの政治の中心を担ってきました。現在は市庁舎として利用されています。
建物の名前は、コジモ1世が新居のピッティ宮殿に引っ越すまでこの宮殿を居城としていたことから、古い(ヴェッキオ)宮殿と呼ばれるようになりました。
建物に入ると中庭、2階には「五百人広間(かつての会議室)」や「百合の間」などがあります。また、塔の上に登ることもできます。
ヴェッキオ宮殿とロッジャ(アーケード)に囲まれた広場がシニョーリア広場です。ジャンボローニャの彫刻「コジモ1世の騎馬像」や「サビーニの女達の略奪」、「ネプチューンの噴水」やレプリカですがミケランジェロの「ダヴィデ像」など、彫刻の数々が展示されていて、まるで屋外の彫刻博物館のようです。
広場には1872年創業の老舗のカフェ、リヴォワール「RIVOIRE」もあり休憩にもちょうどよいのでおすすめです。(カフェのオリジナルチョコレートも売られています。)
3)大聖堂(Duomo)と洗礼堂(Battistero San Giovanni)、ジョットの鐘楼(Campanile di Giotto)
何といってもフィレンツェの象徴と言えるのがサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(花の聖母大聖堂)です。ネオゴシック様式のファサードは白と赤(ピンク)、緑のトスカーナ産の大理石(統一イタリアのシンボルカラー)で飾られ、隣には高さ85メートルの鐘楼がそびえています。
このドゥオモ(大聖堂)の建設には、13世紀後半の着工以来、幾度も設計変更や中断などを経て、最終的な完成まで600年もの年月を要しています。特に難航したのが八角形の巨大なクーポラ(円蓋)の工事で、それまでの中世の建築工法では不可能といわれていました。しかし、フィリッポ・ブルネレスキは大円蓋を二重構造にすることで徐々に円蓋を上を築いていくことでこの難問を克服し、今日では大聖堂の赤褐色の大円蓋は街の象徴となっています。
内部の見学だけでなく、時間が許せば鐘楼や大聖堂のクーポラ(要予約)へも上がってみたいところです。
そばにある洗礼堂は、11世紀に建てられた後13世紀に改築されたものですが、白と緑の大理石で飾られた八角形をしています。北・南・東の3方向に入口があり、いずれの門扉にもブロンズの彫刻が施されています。なかでも注目は東扉の浮彫で「天国の門」と呼ばれています。15世紀の彫刻家ロレンツォ・ギベルティによるもので、10枚のパネルに「エデンの園から追放されるアダムとイブ」、「アブラハムとイサクの祈り」、「十戒をうけるモーゼ」などの旧約聖書の場面が彫られています。(ここにあるのはレプリカですが、本物は大聖堂付属博物館に展示されています)
クーポラの入場予約
ドゥオモの入場は無料の為、観光シーズンは大聖堂に入るのに長蛇の列ができています。
クーポラに上がるには「ドゥオモの共通券」の購入と、日付と時間指定での事前予約が必要になります。共通券には「クーポラ」、「ジョットの鐘楼」、「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」、「大聖堂付属博物館」、「サンタ・レパラータ教会遺構」の入場が含まれていて、「購入日または指定日から30日間有効」、そして「最初の施設に入場してから72時間のみ有効」、となっています。オンラインで共通券を事前購入する際は、購入時に併せてクーポラの予約日時を確定する必要があるので、注意が必要です。(予約完了後のキャンセルや日時変更ができません。)ドゥオモの公式サイトはこちら。
言葉の面などで事前予約が心配な方は、現地ツアーなどでもクーポラに上がれるツアーを取り扱っているところもあります。ベルトラなどでも取り扱いがあるので、上手に利用されるのも良いかも知れません。
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フィレンツェの名所紹介は、後編に続きます。
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